赤と黄色が仲良くしている。
先日訪れた台湾で、そんなことを思いました。
年季の入ったビルが立ち並ぶ台北の路地。壁面には、色鮮やかな看板が何枚も重なっています。
一つひとつはちゃんとまとまっているのに、全体で見るとものすごくカオス。
赤、青、緑、黄色。
グラデーションやアースカラーといった概念が存在しないかのような、原色の洪水。
そんな大胆な色使いに、勢いのある手書き文字。

明朝体とゴシック体
どの看板も、街ゆく人に
「ここにいるよ!」
「いやいや、こっちも見て!」
とアピールしているようでした。
それぞれ存在感を放ちつつも、一つの街並みとして不思議とまとまっている。
その景色がなんとも面白く、気づけば何枚も写真を撮っていました。

カオスな看板

街に住まう人々も、鮮やか。
いつの間にか増えた、自分の中のルール。
デザイナーとして10年近く仕事をしていると、良くも悪くも、自分の中に判断基準ができてきます。
色数は絞る。
書体を揃える。
余白を確保する。
情報を整理する。
どれも大切な基本です。
でも、経験を重ねるほど、
「この配色は無しだな」
「これはやりすぎ」
と、無意識に選択肢を狭めてしまっている気もします。
台湾の街を見ていると、そんな自分の中の“こうあるべき”が、少し窮屈に感じられました。
生命力あふれる、力強くて鮮やかな台湾の街並みが
「もっと楽しめば?」と言ってくれている気がしました。

色鮮やかな街並み

お寺も派手!
台湾で見つけた、日本語。
もう一つ、台湾で気になったのが、商品のパッケージに使われている日本語です。
スーパーや雑貨店を覗くと、日本の商品が多いのはもちろん、台湾の商品にもデザインのあしらいとしてたくさん日本語が使われていました。
台湾では日本製品に対して、「品質が良い」「安心できる」といったイメージがあるともいわれています。

「炎のような」「美味しくてなんとも言えませんよ」「おばあちゃんが飼ってる」
日本語を取り入れることで、そうした信頼感や商品の印象を伝えているのかもしれません。
(私たちがアルファベットの書かれたパッケージをなんとなくかっこよく感じるのと、同じような感覚なのかな……?)
普段、私たちが何気なく使っている日本語も、場所が変われば、品質やイメージを伝えるデザインの要素になる。
そう考えると、文字の持つ意味って面白い。
いつもは当たり前と思っているものも、場所や見方が変われば違って見える。
そんな発見がたくさんあった旅でした。
画面の前で「うーん……」と唸りながらデザインと向き合うことも大事だけど、
たまには旅に出て、楽しみながらのびのびやるのも良いもんだな。
謝謝、台湾。
またいつかね。

浮かれてチャイナシューズ買いました