体験を設計することから、ブランドは始まる。
マルサンカクシカクのプロジェクトは、
「まるさんかくしかくという名前のタルト屋を出したい」という相談から始まりました。
店名の方向性と、タルト屋であること。
輪郭はあるものの、まだ具体的な姿は見えていない状態です。
このプロジェクトにおいて重要だったのは、単なるスイーツ店をつくることではなく、
その名前から導き出される世界観と、タルトを購入し、
食べるという行為そのものをどこまで丁寧に設計できるかという点でした。
ものづくりについて考えていることや
ブランド・デザインができるまでの
プロセスをご紹介しています。
We share our thoughts on making things and
the process behind how brands and designs come to life.
STORY 04
マルサンカクシカクのプロジェクトは、
「まるさんかくしかくという名前のタルト屋を出したい」という相談から始まりました。
店名の方向性と、タルト屋であること。
輪郭はあるものの、まだ具体的な姿は見えていない状態です。
このプロジェクトにおいて重要だったのは、単なるスイーツ店をつくることではなく、
その名前から導き出される世界観と、タルトを購入し、
食べるという行為そのものをどこまで丁寧に設計できるかという点でした。
スイーツと聞くと、
甘い・可愛い・やさしい色合い
といったイメージが自然と想起されます。
しかし、「マルサンカクシカク」という名前が持つ記号的で、
少し無機質な響きは、そうした文脈とは必ずしも一致しません。
そこで私たちは、スイーツらしさを足していくのではなく、あえて引いていくという選択をしました。
主役はあくまでタルト。
余計な装飾や色で甘さを演出するのではなく、タルトそのものが、一番魅力的に見える世界観をつくる。
そのために、グレーと黒を基調とした、静かなトーンをデザイン全体の軸に据えています。

このプロジェクトで、私たちが特に重視したのが
食べ方という行為の設計です。
フォークとナイフを使ってテーブルで食べるタルトではなく、
手を汚さずに、気軽に、どこでも食べられるタルト。
個別パッケージを採用し、そのまま持って食べられる形を前提に設計しました。
また、食べるシーンごとにパッケージを設計し、
◯・△・□のモチーフを用途に応じて落とし込んでいます。
食べ歩き用の1 ピースには「△」。
8 ピースを組み合わせるとホール状の「◯」となり、
それらを収める箱はピザ箱のような「□」。
形と用途を連動させることで、
「マルサンカクシカク」という名前そのものが、
体験の中で自然と立ち上がる構成としました。
「選ぶ」「組み合わせる」「持ち運ぶ」。 そうした一連の行為そのものが、 マルサンカクシカクを通して体験できる価値です。

こうした丁寧なプロセスを経て、「体験を届けるスイーツ」というブランドの軸が定まっていきました。見た目の美しさだけでなく、手に取ったときの質感、開封時の驚き、食べたときの余韻。すべてが一貫した体験となるように設計しています。
体験の軸が定まったあと、
ネーミング、ロゴ、グラフィック、パッケージ、店舗空間まで、
すべてを一つのトーンで揃えていきました。
ロゴマークは、
◯・△・□ という記号そのもので構成。
視覚的に記憶に残りやすく、
「マルサンカクシカクって読むんやで」
と、人づてに広がっていく余白を意識しています。
また、世界観を崩さないため、
使用するフォントもオリジナルで設計。
ロゴやサインだけでなく、
メニューや案内表示など細部に至るまで、
どのシーンでも同じ空気感が保たれるよう調整しました。

店舗デザインにおいても、
余計な情報は極力排除し、
自然とタルトに視線が向かう空間構成としています。


マルサンカクシカクという名前が持つ幾何学的な響きを活かし、シンプルでありながら記憶に残るビジュアルアイデンティティを構築しました。
マルサンカクシカクは、
見た目のデザインから始まったブランドではありません。
どう食べるのか
どう選ぶのか
どう持ち帰るのか
どう記憶に残るのか
そうした体験を一つずつ整理した結果として、
今のかたちがあります。
ブランドとは、
ロゴや色を揃えることではなく、
体験の質を揃えていくこと。
このプロジェクトは、
私たちが考える
「体験設計としてのブランディング」を
素直に形にした事例です。
デザインのご相談にとどまらず、事業全体の視点から課題を捉え、伴走いたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。
「何から始めるべきか整理できていない」「まずは相談だけしたい」という方も、じっくり丁寧にお話しいたします。
どのような段階でのご相談にも対応いたします。まずはお気軽にご連絡ください。